アメイジング・デジタル・サーカス感想

「アメイジング・デジタル・サーカス」という作品を8話まで鑑賞しました。
この作品、めちゃくちゃすごいです。

どれくらいすごいかは色んな人が語ってるし、実際観た方が早いので、
一旦、自分がどういう経緯でこの作品に出会ったかという、最もどうでもいい情報から語ります。
(どうでもいいことを語っていい場所、すごい…!)

元々、存在自体は1年くらい前から知っていたのです。
Twitter経由でポムニのイラストがやたら流れてくる時期があり、
ピエロの女の子がいて、表情が豊かで可愛いな、自分の好きな系統だな、くらいに思ってたんです。

『孤独のグルメ』(1994〜1996年/原作:久住昌之・作画:谷口ジロー)

でも自分は食わず嫌いというか、当時あまりにもそのキャラのイラストがたくさん流れてきて、
なんか好きそうなものに対して警戒してしまうメンタルになってしまい、
(これについてもどこかで話したい「好きと距離感」)
あんまり触れないようにしていました。(まぁ存在は知ってます程度)

んで最近、ボケ〜っとショート動画を観ていたら、
なんかいい感じのBGMだなと思って曲名を確認したんです。
これがアメイジングデジタルサーカスのメインテーマだったんです。(再会)

ちゃんとOPが見たいな〜などと思っていたら、
アメイジングデジタルサーカスはYouTubeでしか配信していない上に、とくにOPみたいなものがないみたいで、
そのまま本編を観ることになった、というわけです。

とにかく自分は本編について何も知らなくて、
可愛いキャラといい感じのテーマ曲という入口から入ったわけです。

んで本編1話を観始めました。
(結局感想を語る。)
(ここからネタバレ注意です)

映像のクオリティもさることながら、やっぱキャラが可愛いわけなんですが、

・ピエロ姿のキャラはポムニという名前(新たに命名される)
・ポムニの中身は人間
・気がついたらデジタルサーカスというヴァーチャル空間に来てしまった
・この空間から出られない(ログアウトできないSAO的な状態)
・現実世界でヘッドセットを装着した記憶はあるが、細かくは覚えていない
・現実世界の記憶も曖昧になっている(自分の名前が思い出せない)
・デジタルサーカスには同じ境遇のキャラクターが複数いる
・みな現実へ帰る方法を見つけることができず、半ば諦めている
・諦めるどころか各々が順応している
・ケインというサーカスの支配人キャラがいて、サーカスを仕切っている
・彼が「冒険」という体で住民を仮想の冒険ゲームに強制参加させるのが日常

など、いろいろ分かってくるのですが、思いの外不穏な雰囲気です。

ラガタという人形の姿をした女性キャラがいるのですが、
1話の中盤で彼女がポムニにこういうセリフを言うんです。

ーーーーー
ポムニ「どうして出口を探そうとしないの?」
ラガタ「そうね、最初来た時はそうしていたわ」
   「でもしばらくして気づくの、ここからは出られないし」
   「達成できない目標を追い続けてたら頭がおかしくなっちゃう」
   (中略)
   「冒険が目標になるから、心の健康を保てるし刺激をくれる!」
ーーーーー

えっっっ好きッ…!!

自分はこのラガタのセリフで完全に持っていかれましたね。

デジタルサーカスの住民は出口の無い円環に囚われており、
冒険という虚業をロールプレイ的に楽しむことで、なんとか正気を保っている。

いやこれめっちゃ怖いというか、現実世界並みに厳しい状況なんです。
めちゃくちゃツラい設定なんです。
こういう世界観、好きッッ…!

自分は設定厨というか、どうしても話のテーマとかに興味がいきがちなのですが、
こんな重い設定なのに、キャラがコミカルなので全然普通に見れちゃう。ストーリーも面白い…!
気づいたらどのキャラも好きになってしまっている…!すごい!!

そしてさらに、
一見すると無造作に生成されたかのようなキャラクターたちのデザインが、
それぞれの抱える問題を反映したものになってるんです。

ラガタ

人から嫌われることを極端に恐れる性格。誰にでも優しくあろうとするが、かえってそれが人を傷つけ、自分も傷つけてしまう。
よって自分を顧みないボロボロの人形という見た目。

ジャックス

ニヒリストというか冷笑マンみたいな。すべての状況から一線引いて、自分の役割(憎まれ役)を演じている。
そういう距離感を保つことでなんとか正気を保っている。
あらゆるものを受け流すゴム人形という見た目。

こういうのが全キャラでちゃんと説明できるんです。
すごいですよこれは…。
(ポムニがピエロ(道化)なのも、ズーブルの体がバラバラなのも、きっと意味がある)

自分は近年、設定よりもキャラに重きを置くべきだと考えているのですが、
この作品はその両方を高水準で満たしていて、
なんかもう、すごい作品に出会ったなと…。

1話のラスト、ポムニのSUN値がガクっと削れるシーンで終わるのですが

これ旧劇のシンジ君じゃん…

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(1997/監督:庵野秀明)

こんな表情を1話からメインヒロインにやらせる感じ、すごい…(好き)

あとこの手の作品って中身の人間の記憶やら描写を入れがちな気がするのですが、本作に関してはそこの塩梅が非常に絶妙で、匂わせる程度に留めておいてるんです。
なのでちゃんと各々のキャラクターに感情移入しやすいようにできている…!(すごい)
(ちなポムニの中身が25歳の女性という設定が明かされるのですが、その設定もすごく刺さる)

ここ数年、熱中できる作品に出会えていなかったので、(ぼっち・ざ・ろっく以来)
こういうマスに向けた作品をちゃんと楽しめるのはすごくいいことだと思います。
(そういう感性がちゃんとある)

最終話は劇場でやるらしいので、観に行きますね。
まじで楽しみ。

ちなみに自分はガングルというキャラが一番好きです。
彼女がこの世界で、一番ピュアに、ある意味わがままにしか生きられない、なんだかとっても刺さるキャラなんすよ…
(悲しみの仮面が笑ってるとき、尊い気持ちになってしまう‥)

ーーーー

※キャラの紹介画像は『The Amazing Digital Circus』(GLITCH Productions)より引用